2012年1月「NPO法人 ポムハウス」が誕生しました!
これまで医療的ケア連絡協議会は任意の団体として、医療的ケア講習会の開催や医療的ケアの必要な人の生活支援モデル事業や地域移行支援事業という助成事業など、医療的ケアについて社会的理解を深める活動を行ってきました。在宅で行っている医療的ケアは医行為ではなく、「生活支援行為」として、全ての介護者や教職員等が実施できる行為であるべきだ、という強い思いを持っています。
医療的ケアの規制緩和を求める声は大きく、2010年に厚生労働省において「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」が立ち上げられ、協議が重ねられてきました。そして、2012年4月から、介護職員等によるたんの吸引等の実施がいよいよ法制化されます。医行為であるけれども、一定の研修を受けた介護職員等は、一定の条件の下にたんの吸引等の行為を正式に業務として実施できるようになりました。
「たんの吸引等は医行為である」と整理されたこと、また、実施可能な行為が限定されたこと、実施のためにいろいろな要件が求められたこと等は、私達の思いとはかけ離れています。けれども、この制度を活用して医療的ケアを実施できる介護者を増やし、医療的ケアをより一層普及させていくのも、一つの方策なのでしょう。
今後、法制度にそった、また私たちが必要とする研修を行っていくため、喀痰吸引等研修の「登録研修機関」として、介護者の養成研修事業の開始を目指したいと思います。今回、医療的ケアの必要な2名が自立を始めた記念すべきポムハウスに因んで設立した、『NPO法人ポムハウス』で、「地域であたりまえに生きる」ことを軸に、これらの活動を担っていきます。
『医療的ケア連絡協議会』の活動にご理解ご協力くださっている皆様に、引き続き『NPO法人ポムハウス』の活動にもますますのご協力をいただけますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
特定非営利活動法人ポムハウス 代表理事 折田 涼